都内大学病院で放射線技師として働いた3年間は、給与だけでなく、その裏にある激務や労働環境が大きな試練となりました。「手取り25万円」という響きは一見良い条件に思えるかもしれませんが、長時間労働や休暇の取りづらさなど、医療の現場には見えにくい現実が存在します。本記事では、筆者の実体験を元に、放射線技師の仕事のリアルな側面をお伝えします。
1. 放射線技師の仕事内容と特徴
1-1. 放射線技師の役割と日々の業務内容
放射線技師は、医療現場で患者さんの画像検査や放射線治療を担当します。CTやMRI、X線撮影、さらには専門的な放射線治療機器の操作を行うなど、技術的な知識とスキルが求められる職業です。
1-2. 都内大学病院での仕事内容の特徴
大学病院では、一般診療に加えて研究や教育活動も兼務するケースが多いです。新しい装置の導入や臨床試験の補助など、一般の病院では経験できない業務も多く、その分労働負荷が高い傾向にあります。
2. 給与の現実:放射線技師3年目の手取り額
2-1. 月給と手取りの差
筆者の給与は月24~25万円の手取りで、年収ベースでは約420万円程度でした。この額は医療職としては平均的と言われますが、労働環境や労働時間を考慮すると「高い」と感じることはありませんでした。
2-2. 時間外勤務による収入の変動
月の残業は25~30時間が通常でしたが、その時間外手当がなければ、さらに手取りは減ってしまいます。また、勤務先の病院では祝日出勤や夜勤が頻繁にあり、生活リズムが乱れがちでした。
3. 放射線技師の働き方:過酷な現場の実態
3-1. 朝7時から終電までの勤務例
最も辛かったのは、朝7時に始業し、帰宅が夜22時を超える日が週に数回あったことです。さらに、祝日勤務や週末の緊急対応が重なることも多く、1週間で十分な休息が取れない日々が続きました。
3-2. 研修や研究活動のスケジュール
業務の合間に行われる研修や勉強会、さらに新しい装置の導入研修などが追加で課され、自己学習の時間も必要でした。そのため、睡眠時間を削ることが日常茶飯事となりました。
4. 給与と労働環境のバランス
4-1. 休日が少ない理由
医療現場の人員不足や、大学病院特有の業務が重なり、予定されていた休みが急遽出勤に変わることもありました。そのため、プライベートな時間を確保することが難しい状況でした。
4-2. 精神的・身体的負担の現実
長時間労働に加え、ミスが許されない緊張感からくる精神的負担は大きいです。特に祝日や年末年始の勤務が続くと、疲労が蓄積し、集中力を保つのが難しいこともありました。
5. 放射線技師のやりがいと課題
5-1. この仕事で得られるスキルと成長
放射線技師は、高度な医療機器を扱うプロフェッショナルとして、常に最新技術を学ぶことが求められます。3年間の経験を通じて、患者さんに寄り添う姿勢や的確な判断力が身につきました。
5-2. 今後の働き方に求められる改善
働き方改革が進む中で、医療業界全体の労働環境が見直されることが必要です。特に、休日の確保や時間外労働の軽減が、技師一人ひとりの健康を守るために欠かせません。
Q&Aセクション
Q1. 放射線技師の給与は他職種と比べて高いですか?
A1. 一般的に放射線技師の給与は他の医療職と同程度ですが、業務の過酷さを考慮すると「割に合う」とは言い難い側面もあります。
Q2. 都内大学病院での勤務時間はどのくらいですか?
A2. 平均で月25~30時間の時間外勤務が発生します。場合によっては終電間際の退勤が週に複数回続くこともあります。
Q3. 放射線技師の仕事で最も辛かったことは?
A3. 長時間労働に加えて、研修や研究が重なった週は身体的にも精神的にも限界を感じました。特に祝日勤務が続いたときの疲労は大きかったです。
まとめ
放射線技師として都内大学病院で働く中で得られた経験は貴重でしたが、その代償として身体的・精神的な疲労が大きかったのも事実です。給与は安定しているものの、長時間労働や休日出勤などの労働環境に改善の余地があると感じました。今後、医療業界全体が働きやすい職場環境を整えることが、職員の健康と質の高い医療サービスの提供につながるでしょう。
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